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第13回ソーシャル・イノベーション研修(オンライン、2022年9月)
日程
2022年9月5日(月)~9月23日(金) (19日間)
参加人数
2名: サン・ペドロ大学 (1), ロンブロン州立大学 (1)
活動拠点
オンライン (自宅)

Report

第13回 SIGLOC-online テーマ
~ SDGs:地球規模の課題解決に向けた地域コミュニティーにおけるソーシャルイノベーション~

 

大阪公立大学は、2018年度文部科学省「大学の世界展開力強化事業」の採択校として、Collaborative Online International Learning (COIL)を活用したソーシャル・イノベーター育成プログラムを開発しています。
その一環として、SIGLOC (Socially Innovative Global Classroom)という短期集中型のソーシャル・イノベーション研修を行っています。

.2020年の春より、COVID-19の影響を受けない国際教育として完全オンラインによるCOIL型教育プログラム「SIGLOC-online」を開始しました。

.この度、「第11回SIGLOC-online」が、2022年9月5日より9月23日まで約3週間にわたって実施され、無事に終了しました。

.今回のテーマ「SDGs:地球規模の課題解決に向けた地域コミュニティーにおけるソーシャルイノベーション」に基づき、参加学生たちが取り組んだ3週間の概要をレポートしていきます。

リーフレット

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ウェルカム・セッション

[9月5日]
ウェルカム・セッションでは、本プログラムの趣旨や流れについて教員から説明があり、その後、参加学生たちは準備したスライドを使い自己紹介をしてお互いの交流を深めます。

ウェルカム・セッションに前後して、参加学生は最初のタスクである非同期ディベートに取りかかります。

参加者の声

ここで、参加した学生に感想を聞いてみましょう。

クレイ:
ウェルカム・セッションは、他の学生やスタッフと交流できたのが楽しかったです。スタッフの皆さんはとてもフレンドリーで、積極的に私たちを助けてくれました。

最初のセッションで、プログラムの進め方やそこで使うテクノロジーに驚かされました。全体として、とても良い経験になりました。


ジャン:
ウェルカム・セッションはとても温かく、特に講師の方々はとても魅力的でした。正直なところ、私は威圧的な人たちなのかと思っていたのですが、その逆でした。優しくて穏やかな話し方だったので、とても居心地がよかったです。

また、一緒に参加した人たちとの出会いもとても楽しかったです。自分の住んでいる地域以外の文化を知ることは、そうそうできることではありません。まるでフィールドトリップのような、でもバーチャルな旅でした😅
全体として、このウェルカム・セッションは、このとてもエキサイティングな旅の素晴らしいスタートとなりました。これからが楽しみです。❤


 

SIGLOC-onlineプログラムの流れ

今回のテーマは「SDGs:地球規模の課題解決に向けた地域コミュニティーにおけるソーシャルイノベーション」。
プログラム参加者は以下の4つのセッションにおいて課題が与えられます。

セッション1)経済的な観点から持続可能な開発について考える
セッション2)自らの地域社会における社会課題について分析する
セッション3)地域社会の課題と持続可能性について考え、具体的な解決策を考える
セッション4)ローカルな社会課題をグローバルな視点から見直し、ソーシャル・イノベーション(社会的解決策)の提案を個々に整理する

参加学生たちはセッションごとに学びながら、自分が取り上げる社会課題について「ピクチャーブック」を制作していきます。

他の参加者との意見交換をしながら分析や考察を進め、最終発表会でプレゼンするという流れです。

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カルチャー・プログラム

課題の合間に、参加者同士の積極的な交流を目的とした文化活動を行いました。
学生たちはSlack上で交流し、意見を投稿したり、メンバーのアイデアにコメントしたりすることを経験します。

こういった交流の中で、自分たちのチーム名とチームロゴを作成しました。

チームロゴ

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チーム名は「Liwanag sa Dilim」、タガログ語で「トンネルの先に見える光」。

チーム名やロゴは参加者の思いが詰まったシンボリックなアイコンです。

作成した学生らによると、このチーム名とロゴには以下のような意味があるそうです。

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<チーム名>
「トンネルの先には必ず光がある。
未来のソーシャル・イノベーターとして、あるいは未来のリーダーとして、世界中の人々がその栄光を感じられるように、私たちは希望に満ちた光を放つ聖火ランナーの役割を担わなければならないのです。」

<ロゴに含まれる要素>
・ピンクのモチーフとバラ=バラ色の未来を手に入れるという野望。完璧なコミュニティにすることは不可能でも、環境に関係なく、ソーシャル・イノベーターとして、我々は少しでもそれに近づけるよう取り組むもう。
・国旗=グループメンバーの国籍のシンボル
・暗い背景=闇(社会的課題/不正)。その闇は行動することで光に照らされるべし!

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課題への取組み:リサーチ・情報分析・ディスカッション

各セッションの取り組みについてご紹介します。

セッション1は、経済的観点から持続可能性について議論することが目的です。
まずは、文献を読み、自分の立場で建設的な意見を組み立て、その後、真逆の意見をもつ対戦相手に反論する形で討論を進めていきます。

セッション2〜4では、自分が取り上げる地域の社会課題について様々な角度から丁寧に分析し、チームメンバーとさまざまな視点に基づく意見交換を繰り返しながら、地域コミュニティーの持続可能性が、ひいては地球の持続可能性に繋がるような、ユニークで実践的な提案を見つけ出していきます。

参加者は、自分の国や地域の社会課題の解決と持続可能性を提案するアイデアを「ピクチャー・ブック」にまとめ、チーム内でお互いにコメントを出し合いながら自分のアイデアを磨いていきました。

そして、最終的に、全てのセッションを通して学んだことや発見したことをリフレクション・レポートとしてまとめました。

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プレゼンテーション・セッション / クロージング・セッション

プレゼンテーション・セッションとクロージング・セッションでは、参加者は各自作成したピクチャー・ブックを用いてプレゼンテーションを行い、提案や解決策、経験や振り返りなどを共有しました。

また、講師陣も参加者のパフォーマンスに対して、積極的にフィードバックしました。

.クロージング・セッションの様子(9月23日)

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3週間に渡る課題への取り組み、お疲れさまでした!

最後に、BEVIとアンケートに答えたらプログラムは終了です。

SIGLOCの全期間が終了後、すべての課題を達成した学生には修了証が付与されました。

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おわりに

この夏から、モビリティーが回復し、大阪で実施するSIGLOC-JPも再開しました。

しかし、自宅から参加できるSIGLOC-onlineは、現地での研修では得られない魅力ある学びが得られます。

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SIGLOC-onlineは、オンラインならではの学びを追求し、よりよい教育プログラムを目指して開発に取り組んでいきます。

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修了生の国籍
フィリピン (2名)

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